お酒の割り水と言えば、軟水、硬水どちらが相応しいのでしょうか?
これは多分…一般常識的には軟水と答える方が多数派だと思います。
その理由とは?
本、雑誌、サイト…そのほとんどが、昔から焼酎やウイスキーの水割りの作り方の解説で「軟水で割ると良い」という解説をしていると思います。
どこかで情報を得たことのある方であれば、それに従って軟水で割った方が良いと考えているはずです。
なので僕も当然のようにそう思っていました。
実際の飲み比べ実験
硬水と軟水の飲み比べをしてみようと思い立ったのは、ファミリーマートに軟水のミネラルウォーター「津南」と中硬水のミネラルウォーター「霧島」が売られていたのがきっかけです。
その模様がこの動画となります。
このように実際に飲み比べてみますと…
まず、両者には明らかに違いがありました。
そして…本当にお酒の割水は軟水が良いのだろうか?と疑問が沸きました。
もしかすると単純にこの霧島というミネラルウォーターがお酒に合うという可能性も否定できなかったので、そこで次に一般的に売られている硬水の行き着く先とも言える「コントレックス」で水割りを試すことになります。
飲み比べてみた結論
軟水=お酒の味をアルコール度数と共にそのまま薄めてまろやかにする
硬水=薄めている割には元のお酒の味をそのまま伝える
という感じですかね。
これはつまり1:1の水割りであれば…
軟水はアルコール感も風味もそのまま50%に薄まる感覚
硬水はアルコール感は減るものの風味は結構残る感覚
という意味合いです。
なぜそうなるかは不明ですが、実際に飲み比べてみればお分かりいただけると思います。
コントレックスはそれ自体が飲みにくいものなので、水割りに向いているものではないとはいえ…
中硬水の霧島の方は、軟水の津南よりも全体的に良い結果が出ました。
これは一般的な考え方である水割りは軟水で割るべきという意見を否定する内容となります。
僕の意見としましては、お酒は軟水で割らない方が美味しいと思います。
なぜそうなったのか
これは恐らく推測なのですが、軟水で割ると美味しい説は、蔵元・酒造りの現場から発信した可能性や、昔のお酒と今のお酒の酒造技術の違いにあると思っています。
まず酒造りの現場の方ですが、どんなお酒であれ製造過程の味は荒々しいものです。
製造過程における色々な工夫、例えば甕で仕込むとかタンクでしばらく寝かせるとかいうのを含めて、お酒造りの過程ではその荒々しさ、トゲを落とす努力をします。
そこで使用する水、お酒をまろやかにしやすい水は…軟水であるはずです。
なのでお酒造りの話になると(一部を除いて)軟水で割るみたいな話が多く出てくるのですが…
これをお酒には軟水が良い、水割りには軟水が良いと変換してしまった可能性があると思います。
昔のお酒と今のお酒の酒造技術の違いですが、昔の焼酎は芋臭くて飲みにくかったというのは今では多く聞かれる意見です。
さてそんな芋臭い焼酎を程よく薄めて飲みやすくできる水は…?
ここまで読んで下さった皆様ならおわかりの通り、答えは軟水です。
しかしこれはあくまで過去の話ですね。
今ではロックで飲んで美味しい完成度の高いお酒が大半なわけで、その風味を硬水で引き伸ばしても何ら問題はありません。
逆に、軟水で割ると完成された味が伸びて薄まってしまう場合も多いと見ます。
なので今のお酒に対して頑なに水割りは軟水で割るべきとする意見は古い時代の話ではないかというのが僕の意見です。
まずはファミリーマートに売っている「霧島」をお試しあれ
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